縁がわでビール

読書会/本を読む/映画みる/補聴器/外回り/痛風/腰痛/ラジオきく/山に登る/サッカーみる/温泉/ビール

なぜマヤは泣き崩れたのか ビンラディン殺害計画を扱った映画『ゼロ・ダーク・サーティ』

zdt.gaga.ne.jp

ちょっと前に永江さんのブログで『ゼロ・ダーク・サーティ』がすげえとおすすめされていたのでamazonプライムで観てみた。

若き女性CIA捜査官がビンラディン捕獲・殺害ミッションに邁進する話。製作にはCIAも協力したらしく、政権のプロパガンダ映画ではないかと話題にもなったそう。↓

 

gigazine.net

 

この映画、157分とけっこうな長さのボリューム。内容もかなりずっしりしてる。9.11にに関わったテロリストの尋問(拷問)からビンラディンの居場所の糸口をつかんで捜査に邁進する主人公のマヤ。その操作の間も自爆テロは各地で続く。自爆テロで同僚を失ったマヤは狂ったようにさらにミッションに突っ込んでいく。そして居場所をつかんだ特殊部隊が現場に突入するという重厚なストーリー。以下、wikipediaからの引用。

 

若き女性CIA分析官マヤは中東を専門に扱い、パキスタンのCIA支局に配属された。アメリカ同時多発テロ事件に関連して捕らえたテロリストの、過酷な拷問にも立ち会うマヤ。

捕虜の尋問から、ビン・ラディンの連絡係であるアブ・アフメドという名を聞き出すマヤ。だが、上司の支局長はその情報の信憑性を疑い、頻発する自爆テロの阻止を優先した。

アルカーイダの医師を買収し、情報を聞き出そうとするCIA。しかし、会談場所に現れた医師は身体に爆弾を巻いた偽物で、自爆によってマヤの同僚のジェシカが死亡した。さらに、アブ・アフメドがすでに死んでいるという情報も、マヤにもたらされた。

膨大な情報の解析から、アブ・アフメドの本名が割り出された。死亡情報は誤りだと訴えるマヤ。懐疑的だった上層部もついに折れて、アブ・アフメドの親族の電話番号を知るために大金が使われた。

電話の盗聴から、アブ・アフメドの居所がパキスタンだと特定された。さらに追跡を続け、アブ・アフメドがアボッターバードという町の屋敷に住んでいることが判明した。この屋敷にビン・ラディンがいると確信し、及び腰な上層部に攻撃を訴え続けるマヤ。

2011年5月2日、ついにアメリカ軍による奇襲作戦が決行された。ビン・ラディンは射殺され、マヤは遺体が収容されたパキスタンの基地で、その死を確認するのだった。

 

個人的には長い映画というのはじっと集中するのに疲れてしまってあまり得意ではないがこの映画も非常に疲れた。。

しかしこの映画のラストシーンがすごくいい。ミッションを終えた主人公のマヤは脱力し、帰りの移動の飛行機の中でひとり嗚咽し泣き崩れる。何のどんでん返しも何のカタルシスもないけども、この映画で伝えたいことのすべてがこのシーンに詰まっている。

 最初観たときにはマヤがこれからの目的を失って泣き崩れたのだと思っていただけど、今時間が経ってみるとそうではないのではないかと。違うのではないかと思う。

 

ビンラディンを殺害したとしても何も終わらない。自分の(国の)自己満足を解消しただけで自分はさらにその引き金をひいて掻き回しただけなのかもしれない、これは終わりではなくてまたひとつの憎悪のはじまりにすぎないということ、そのすべてのことをマヤは理解している。だからひとりで泣き崩れるのだと。ひとつのシーンが言葉以上にさまざまなことを訴えかけてる。このシーンをみるだけでもとても価値のある映画だ。

 

関連して、最近『アラビアのロレンス』を観たのだけど、中東が混乱しているのはなぜなのかわかる部分が多々。こちらも超長いですがすばらしい映画。是非!

www.amazon.co.jp